名古屋大学医学部附属病院(以下、名大病院)先端医療開発部の礎は、1998年の臨床治験管理センター(初代センター長:吉田純脳神経外科学教授)にまで遡ることができます。当時、新規医薬品等を効率的に開発するトランスレーショナルリサーチ(TR)が注目され、大学ごとにオリジナリティーのある仕組みづくりが始まっていました。

 

当時の名大病院は純国産技術を駆使した我が国初の遺伝子治療の実施や歯科領域における再生医療研究を通して先駆的な成果を上げていたことから、2002年、京都大学の探索医療センターに次ぐ国内二番目のTRセンターとして遺伝子再生医療センター(初代センター長:吉田純教授)が立ち上がりました。ここでは当時としては珍しかった国際標準化機構 ISO9001とISO13485のダブル認証を取得し、品質を担保したバイオマテリアルの調製を可能にしました。2008年、遺伝子再生医療センター2代目のセンター長として松尾清一腎臓内科教授が就任し、先端医療開発の基盤の強化がさらに推し進められました。

 

一方、臨床治験管理センターでは、2004年2代目のセンター長として石黒直樹整形外科学教授が就任、2008年には臨床研究推進センターと改名し、2009年には長谷川好規呼吸器内科教授がその任を受け継ぐことになりました。

 

2010年には遺伝子再生医療センターと臨床研究推進センターを統合して、先端医療・臨床研究支援センター(以下、支援センター)を立ち上げ、初代センター長に直江知樹血液内科学教授が就任し、2012年、第2期の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」に採択され、橋渡し研究支援拠点のひとつになりました。また、同年厚生労働省の「臨床研究中核病院」にも選ばれ、名実ともにシーズの開発から保険診療までを一気通貫的に支援できる体制を整えることができました。この活動は拠点内に留まらず、中部7大学と1センターからなる中部先端医療開発円環コンソーシアムの誕生にも繋がりました。現在、同コンソーシアムは、中部11大学と3センターの計14施設に発展しています。

 

2013年、石黒直樹整形外科学教授が2代目の支援センター長に就任し橋渡し研究を強力に後押しされました。

 

2017年、第3期の「橋渡し研究戦略的推進プログラム」では自立可能な好循環型先端医療開発拠点の創成を目指すことになりました。

 

2018年、支援センターを改編し、病院長直下に先端医療開発部を新設、その下に支援センターとデータセンターを位置付けました。初代先端医療開発部部長に安藤雄一化学療法部教授が、支援センターの3代目センター長に水野正明病院教授が、データセンター初代センター長に安藤昌彦病院教授がそれぞれ就任。現在、名古屋大学をはじめ中部先端医療開発円環コンソーシアムの参画施設等の叡智を結集して次世代医療を創出し世界の人々に提供すると共に、それを支える人材育成を推進しています。

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